株式会社日本政策研究所:加藤和磨さん
「まずは自分が学ぶことで、社会起業家を支えることにつながると思った」
Q. 簡単に自己紹介をお願いします。
夕張市出身。両親はともに市役所勤務で、私は18歳のときに上京しました。
財政破綻した自治体で育ったことで、「政治や政策に無関心でいることが、生活を大きく左右する」という実感を強く持ち、そうした経験から、政策を学ぶ場として「日本政策学校」に入学し、2期生として学びました。
Q. 官民連携エキスパート資格を取得しようと思った理由は?
私は現在、日本政策学校の運営と、社会起業を目指す方々の支援を行うシンクタンクを立ち上げています。受講生の約4割が社会起業家を目指しているのですが、政策や制度に働きかける「ルールメイキング」が十分にできていないと感じていました。
官民連携やパブリックアフェアーズを体系的に学べる場は少なく、「一から勉強するには限界がある」と思っていたところにこの「官民連携エキスパート」に出会いました。
Q. 実際に受講してみて、いかがでしたか?
お世辞抜きで、とても質の高いプログラムだと感じました。官民連携に関して、体系立てて学べる仕組みがなかなかないので貴重でした。
例えば、条例がどのようにできるのか、その過程にある「審議会」の役割など、実務的なポイントも丁寧に扱われていて、役立ちました。参加型民主主義を掲げる我々のようなシンクタンクにとって、条例や署名、選挙以外にも市民が関われる制度を知ることは非常に重要です。
Q. 試験はいかがでしたか?
小テストはかなり間違えました(笑)。複数選択形式が苦手で……。でも、そのおかげで復習できましたし、内容の理解が深まりました。
本試験への対策としては、1回網羅的に勉強した後、2日間見直しをしました。長文問題を納得いく形で書くことができたことが大きかったです。手応えを感じました。
Q. この資格を、今後どのように活かしたいと考えていますか?
一つは、クライアントのルールメイキング支援。大企業はGR(ガバメントリレーションズ)や渉外担当を雇っていることも多いですが、ベンチャー企業はそういう点でのハードルが大きい。そういった企業の後押しをしていきたいと思っています。
Q. どのような方に、この資格をおすすめしたいですか?
まずは、これからGRを始めたい方に。基礎を体系的に学べるので、スタートラインとしてマストだと思います。
また、企業に属している方で、入札や官との関わりを持っている方にもおすすめです。意外と役所の構造や流れをきちんと理解できている人は少ないと思うので、そういった点でも理解が深まると思います。
LobbyAI株式会社:橋本彩斗さん
「ロビイングの力で地域を動かす。公共との接点は、未来への突破口」
Q. 簡単に自己紹介をお願いします。
大学入学と同時に衆議院議員の秘書をしていました。秘書の仕事が楽しく、結局大学も中退してしまうほど、政治の現場にどっぷり浸かっていました。この政治のダイナミズムに強く惹かれた経験が今の自分を形づくっていると思います。
現在はLobbyAI株式会社で、自治体や省庁との関係構築を支援する「ロビイング」をAIで支援するツールの営業を担当しています。また、日本青年会議所(JC)の一員として、さいたま市の地域の活性化にも取り組んでいます。
Q. 官民連携エキスパート資格を取得しようと思った理由は?
秘書時代は「国の政治」が中心で、正直、自治体の実務や議会スケジュールにはあまり明るくありませんでした。LobbyAIの事業で地方自治体と関わる中で、「自治体の時間軸」や「条例づくりの仕組み」を理解する必要性を痛感していました。
そんな中で出会ったのがこの資格でした。
Q. 実際に受講してみて、どのような学びがありましたか?
非常に実践的な内容でした。特に、議会や条例制定の流れ、自治体職員とのやりとりなど、現場感のある知識が得られたのは大きかったです。
「どこまで関与していいのか」「いつ動けばよいのか」といった、これまで感覚的に掴んでいた部分がクリアになりました。
Q. この資格を今後どのように活かしていけそうですか?
私は自分の住んでいる地域の「ヒト・モノ・カネ」の流れを呼び戻し、定着させる仕組みをつくることが必要だと考えています。その中核となるのが、私の専門でもある「ロビイング」の力を地域課題の解決に応用することです。
色々構想がある中で、まず自分の専門を活かしていくには、制度を熟知していること、また自治体との対話のスキルが必須です。今回学んだことは、まさにその土台となるものでした。
Q. どんな方に、この資格をおすすめしたいですか?
官と民の接点に立つ人すべて、ですね。特にスタートアップや中小企業で、自治体や政策に関わる機会がある方には、絶対に役立ちます。
また、社内に公共政策や渉外の専門人材がいない企業こそ、この知識は武器になると思います。
Q. 最後に、GRサロン(資格取得者のコミュニティ)への期待があれば教えてください。
ぜひ参加したいです。尊敬する首長が何人かいますが、地方から大きな変化を生み出すリーダーの話を、クローズドな場で深く聞ける機会は貴重だと思っています。そうした日頃なかなか接点のない方々と、具体的な議論ができるような勉強会があれば、学びも刺激も何倍にもなると思います。





