「人のふんどしで相撲を取る!?」兵庫・西宮市長の絶妙自治体経営術【第20回GR勉強会】

「リーダーシップか、それともマネジメントか…」

企業の経営者や、幹部のビジネスパーソンなら誰もが経験する悩みです。グイグイと組織を引っ張ろうとするとハレーションが起きるかもしれないし、組織の調整に力を入れすぎるとなかなか物事が前に進まなくなるかもしれない。「リーダーに求められるのはどっちなんだろう」とあなたも考えたことはありませんか?ましてや、自治体の首長になると利害関係者は市民、自治体職員、議会、地元の企業、地域課題解決を売り込む首都圏の企業など実に様々です。首長はどのようにリーダーシップとマネジメントを使い分けているのでしょうか。

「私は人のふんどしで相撲を取っています」

そう公言する首長がいます。

兵庫県西宮市の石井登志郎市長です。民間企業で働いたのち、衆議院議員(民主党)を経て2018年4月に西宮市長選で次点の候補に108票差で勝利し市長に就任。現在2期目です。

人のふんどしで相撲を取る…。

通常はあまり良い意味では使われない表現のような気がしますが、いったいどういうことなのでしょうか!?

石井市長は、代表的な例として、自治会、老人会による公園委託管理制度を挙げます。

事業者に公園の清掃を委託するのではなく、地元の自治会や老人会に公園を綺麗にしてもらい、対価を支払っているそうです。こうすると地元の人同士が顔を合わせますし、生活エリアの施設に愛着が湧きますよね。石井市長が清掃に参加すると、即席のミニ市政報告会になることもあるそうです。

民間企業の「ふんどし」も使っています。阪神タイガースの本拠地、甲子園球場がある西宮市。野球シーズンでないときもあの手この手で球場を活用したり…。

石井市長がかつて働いていたヤフージャパンとも、ビッグデータ活用などで連携したり。

どうやら、行政がなんでもかんでもやるのではなくて、市民の街への誇りや民間の活力をうまく使いながら、ステークホルダーが主役となるように誘導していく。民間を活用するにしても、トップダウンではなくて、市職員からの提案を大事にして自分事化させていく。それを「人のふんどしで相撲を取る」と表現しているようです。

でも、なんでこういう周囲を動かす政治スタイルになったのでしょうか?石井市長は「住みたい自治体ランキング」で常に上位に入ってくる西宮市を語るには欠かせないエピソードとして、1枚の写真を紹介しました。

時は昭和37年。何やら行政に抗議する集会のようです。「西宮市のことは市民が決める」。誇り高い西宮市民や市職員のアイデンティティをうまく活用しようと考えた石井市長の戦略とは?続きはYouTubeでご覧ください。

市長、『みんなで動かす』ってどういうことですか? 〜トップが語る西宮市の官民連携〜【第20回GR勉強会】 主催:(一社)日本GR協会

モデレーターは、政策シンクタンク事業などを手掛ける青山社中の朝比奈一郎筆頭代表CEO。「リーダーシップか、マネジメントか」を軸に、市職員のマネジメントや議会対策など、かなり突っこんだ内容を石井市長にズバリ聞いています!


【こんな人に視聴おススメ!】

✔地域活性の課題解決にプロダクトやサービスを売り込みたいが、現場から入るのがいいのか、首長からがいいのか悩む企業のビジネスパーソン。石井市長の民間活用の考え方と行政の現場への思いが聞けます。

✔周囲を巻き込みながらプロジェクトを動かすことに悩んでいる自治体関係者や、ビジネスパーソン。

第22回GR勉強会のお知らせ

日本GR協会では、本記事でご紹介した「GRフロントランナー」のほか、全国の市長をお迎えしてお話をお聞きする「GR勉強会」を毎月開催しています。
次回、第22回勉強会でも桑名市の伊藤市長をお招きしてお話をお伺いします。
ぜひ、ご参加ください!


【第22回GR勉強会】
なぜ公民連携は失敗するのか 
~桑名市が明かす公民連携の成功の鍵~

■ 日時  8月29日(月)19時~20時
■ ゲスト 三重県桑名市・ 伊藤徳宇市長
■ モデレーター 日本GR協会 代表理事 吉田 雄人(前 横須賀市長)
■ 使用ツール:YouTubeによるライブ配信
 ※ お申し込みいただいた方に、視聴URLを後日お送りいたします。
■ 参加費:無料
■ 詳細・お申し込み:https://graj022seminar.peatix.com/