しくじり先生~官民連携を失敗するからこそ見えてくる!元テレビプロデューサー市長の地域プロデュース術【第22回GR勉強会】

「地域を良くするには自治体職員の知見だけでは限界がある。民間のアイデアが必要だ」

地方創生を考えるとき、自治体の首長や職員でこの考え方に異論をはさむ方はほとんどいないと思います。でも、直後にこの言葉が浮かんでくるのではないでしょうか?

「どんどん民間の声を聞いて活用していくと、『癒着だ』、『えこひいきだ』と炎上するのではないか…」

その恐怖感から硬直的になってしまい、なかなか変革できないと悩む市町村は多いのではないかと思います。しかし、

「公民連携には破壊的なイノベーションが必要だ!」

「反対が多いほど大きな成果につながるんだ!」

と断言する市長がいます。

三重県桑名市の伊藤徳宇市長です。

伊藤市長は1976年生まれ。早稲田大学を卒業後フジテレビに入社し、営業や衛星放送の番組プロデューサーなどを担当します。しかし、帰省するたびに出身地である桑名市が元気がなくなっていく様子を見ながら悶々としたものが込み上げて来たそうです。そこで、付き合いがあった長谷部健渋谷区議(現・渋谷区長)に相談したところ、こう言われたそうです。

「番組をプロデュースするように、君が街をプロデュースしたらいいじゃないか」

この言葉で火が付いた伊藤さんは政治の世界に進むことを決意。桑名市議を経て2012年に桑名市長に就任しました。「全員参加型市政」を掲げ、役場が抱えている課題の解決策を事業者が自由にプレゼンできる「コラボ・ラボ桑名」を2016年に立ち上げて官民連携を積極的に進めています。

例えば、郵便局での行政窓口サービスを開始したり。

赤字運営の駐車場を・・・

運営を民間事業者に任せ黒字化し、24時間営業や定期契約などの多角化で市民サービスを向上させたり。

民間からの提案に積極的に耳を傾け、行政としても民間としても理想的な仕様書を作ることで、コラボ・ラボ桑名を立ち上げて7年間で45件の官民連携事業を実現しました。

ところで伊藤市長、民間事業者からの提案を受けて官民連携が成立する割合はどれくらいなのでしょうか。

え・・・、26%ですか・・・。ということは民間提案の4分の3は実現していないということですよね。桑名市はトライアンドエラーを繰り返してきた結果、官民連携が失敗してしまう5つのケースがわかってきたそうです。地方公務員の皆さんも、自治体相手にビジネスをしたい民間事業者の皆さんもとても気になりますよね。それがこちら!

具体的にはどういうことなのか知りたい方は、YouTubeで動画をご覧ください!テレビプロデューサーの経験を活かして、チームで街をプロデュースする伊藤市長はこう語ります。「確かに、民間のただの営業も多いです。しかし、行政では出てこない答えは民間が持っています」。「平等でなければ」という固定観念に頭を悩ませる自治体職員や、「なぜ自社の提案は自治体に採用されないのか」と悩む事業者の方にこそご覧いただきたいコンテンツです。

司会は日本GR協会代表理事の吉田雄人(元横須賀市長)。GR(ガバメント・リレーションズ=官民連携)の最先端を走る、桑名市長の本音に迫ります。